こんにちは、中途失聴の英語学習者Ashley(アシュリー)です。
このブログの方針などはこちらをご覧ください。
このブログでは発音記号と対にして英単語を覚えることを推奨しています(※)が、
スピーキングにおいて、私自身は『単語一つ一つの完璧な発音』はあまり重視していません。
※綴りと音との関連性(フォニックス)を耳から習得できなくても、
発音記号で視覚的に規則性を捉えることは可能です。
私に関しては第一言語は日本語で、
聞こえていた頃も英語の発音を完全に習得できていたわけではなく、
失聴後は声どころか騒音レベルの環境音すら識別できない聴力なので
「完璧な発音を目指す」のは現実的ではないと考えています。
ですが、口頭のコミュニケーションが必要な場面で
可能な限り「伝わる・読み取る」工夫は必要だと思います。
日本語とは違い、英語には”強弱アクセント”があり、
弱勢アクセント位置では”リンキング”が多発します。
*リンキング:隣り合う単語同士が連結して起こる発音変化
たとえ単語の端から端まで発音記号通りの発音を出来たとしても、
リンキングするべきところでリンキングしなかったり、
控えめアクセントのところを明瞭に発音しすぎると、通じにくくなることが多いです。
<日本語的な誤解から通じにくくなる例 ”didn’t”>
”didn‘t”
発音記号上は/ˈdɪd.ənt/ですが、
ふつうは最初のdと2番目のdを一様に「ディドゥンt」と発音するのではなく、
dn部分では舌の位置をdに合わせたらそのままnに移行します。
万全の聴力の持ち主であっても、didn‘tの2番目のdは”d”音が聞こえず
「ディnn(t)」のように聞こえるはず。
dn部分をはっきり発音しようと頑張ってしまうと、
余計な母音(う)が入ってさらに伝わりにくくなることもあります。
なので、会話で私自身が気を付けていることは
✓強勢アクセントがくる部分は正しい発音に近づける
(音を聞いて改善していくのは難しいので「正しい発音」には限界あり)
✓アクセントが弱くなる部分はとにかく軽く
…というくらいで、
伝わらなかった時は単語だけを何度も繰り返すのではなく、
他の単語に言い換える、短文中で伝えて予想してもらいやすくする。など
伝え方を変えるようにしています。
【あまり知られていない聴覚障害事情】
「伝わらない時に一語を何度も繰り返す」のは、
聴覚障害者とのコミュニケーションでも伝わりにくいことが多いです。
読唇スキルが高い人相手であっても、一語だけを大声で繰り返すより
ジェスチャーを交えたり簡潔な一文で話す方が伝わりやすいことが多いです。
音声文字変換ソフトやアプリを使う場合も、文字化が上手くいかない時は
一語だけを繰り返すのではなく、文の形で言い直した方が変換されやすくなります。
(機械の予測変換も単語単独より文の方が精度が上がりやすいため)。
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