自己紹介

このブログは中途失聴者の主婦Ashley(アシュリー)が作成しています。

私は数年前に突然聴力を失い、現在の聴力は両耳110db超で、ほぼ何も聞こえません。

このブログでは

「聴覚障害があっても出来ること」、

「聴覚障害で困ること」、

そして、

「聴覚ハンデありの英語学習」

について書いていきたいと思っています。

私は残存聴力がほとんどないので、英語どころか日本語も聞き取ることができません。

自分が発する声も分かりません。

補聴器を装用しても、人間の声なのか環境音なのかの区別もできません。

補聴器をつけることで、真後ろに来た緊急車両の音を辛うじて拾えるかどうか、という状態です。

それも「音の気配がする」というだけで、聞こえる方々のように「サイレンの音だ!」という区別はできません。

補聴器で”聞こえる”と思っている音も、本当に聴覚的に認識しているのか、振動で知覚したものを「聞こえた」と思っているだけなのか、自分でも分かりません。

(ABRは失聴直後の時点で無反応でした)

このように聴覚にハンデのある私にとって外国語学習は厳しい挑戦ですが、

「聴覚に頼らない学習とはどういうことをしているのか」、

「リスニングを欠いた学習でどこまで身につくのか」

シェアできればと思っています。

※私は日本で生まれ育ち、海外経験はほとんどありません。

聴覚障害×言語の壁

重度の聴覚障害があっても、聴者と同等に出来ることもありますが、難しいこともたくさんあります。

外国語学習は、聴覚障害者にとっては大きなチャレンジの一つだと思います。

言語学習に必要とされる4技能(聞く・話す・読む・書く)の内、

聴覚障害者は「聞く」「(音で覚えて)話す」という部分に大きなハードルがあります。

ここをどのように乗り越えるか?

私自身も模索中ですが、

何か特別な目新しいことをするわけではなく、

総合的に

「相手に伝わる」

「相手の言葉を読み取れる」

ことを目指して、次の4点を補強しています。

英語の学習ポイント
  1. 語彙力
  2. 発音・アクセントの認識
  3. 文法理解
  4. 予測変換スキル

①語彙力を強化

そもそも単語を知らなければ、健聴の人であっても聞き取りも発話も困難なので、語彙力は聴覚関係なく大切です。

相手に言葉が伝わらない時、別の単語で言い換えて伝えたり、表現を工夫するためにも語彙力が必要となります。

単語を発音記号とともに覚えることで、視覚的に綴りと発音の規則性(phonics)に気付けるようになります。

②発音・アクセントの認識:発音の誤解を減らす、ビートを掴む

耳で音を確認しながら自分の発音を正す、というのは聴覚障害者には非常に困難だと思います。中途失聴の私も、聞こえていた頃に正しい発音を身につけられなかった音は今も矯正困難です(改善の努力は続けていますが、、)。

ですが、健聴の人であっても『発音を誤解』して、ローマ字読み感覚で発音している人も少なくないはずです。

誤解が原因で正しい発音から遠ざかっているのは勿体無いので、より伝わりやすい発音に近づけるよう、私は『発音記号を用いた学習』を取り入れています。

また、英語特有のアクセント(ビート)に関しては、習得に聴覚障害の有無は関係ない、むしろ聴覚障害はアドバンテージになるのではないか?と個人的には思っています。

(聴覚障害が重くなるほど他の音情報(メロディ・ハーモニー)に惑わされにくくなるため、相対的にリズム要素を知覚しやすいです)

③文法理解:正しい文法で書く・話す

正しい発音の習得に限界がある前提で、コミュニケーションを補っていくには

「正しい文法を身につけて、明瞭な文章で書く、話す」

ということが大切になってくると思います。

また、文法に馴染むことで「書く・話す」アウトプットだけでなく、「読み取り(+健聴の方なら聞き取りも)」の強化にも繋がります。

④予測変換スキル

声や文字になった言葉だけでなく、相手の表情・口の形・周囲の状況など、視覚的に読み取れる情報を見ながら、相手が何を言いたいのか予想していく力(予測変換スキル)が聴覚障害者にとっては重要になります。(ろう者はこの視覚的な読み取り能力に優れている方が多いです)

さらに今は科学技術の進歩で、音声を文字化してくれるツールが増えており、「音声↔︎手話」変換技術についても既に試用段階まで進んでいます。

私も音声文字変換アプリを毎日使うようになり、とても助かっていますが、アプリの文字化は完璧ではないので誤変換も頻繁に起こります。

相手がどのような文脈で話しているのか、何を言いたいのか、ツールに頼り切るのではなく自分で補っていく必要があります。

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